TSSとは、トレーニングの量と強度を総合的に評価する指標

投稿者:

TSS(トレーニングストレススコア)は、運動の距離(時間)と強度を考慮に入れた合成数のことです。1時間をFTP(1時間の最大運動)で行うと値は100となります。TSSを把握することで、自分がどの程度の量、どの程度のトレーニング強度で練習をしているのか分かる様になります。また、トレーニングのリカバリーの目安も判断することができます。

TSSの算出方法

TSSの算出式は、TSS=[(SW(NP)IF)/(FTP3600)]100です。ここで、Sは運動の時間(秒)、Wは重み係数、NPは正規化パワー、IFは強度係数、FTP1時間あたりの最大運動です。例えば、FTP290W32分のレースを行いNP312WIF1.08だった場合、TSS=[(32*60*312*1.08)/(290*3600)]*100で、TSSは62となります。

TSSから考えるトレーニングの目安

TSS<150の場合、通常は翌日には完全に回復します。TSS150〜300の場合、翌日はやや疲労が残るが、通常は翌々日には完全に回復します。TSS300〜450の場合、翌々日でもいくらか疲労が残ります。TSS450以上の場合は、数日間でも疲労が残ります。最適なトレーニング負荷は1日あたり100〜155TSS、1週間では700〜1100TSSくらいを目安にトレーニングを行うといいでしょう。また、TSSの合計を700超えたら、1日休息するか、運動を軽くする必要があります。トップアスリートは、1日あたり250程度を目安に練習を行っています。

CTL、 ATL、TSB とは

CTL(長期トレーニング負荷)、ATL(短期トレーニング負荷)、TSB(トレーニングストレスバランス)は、トレーニングの総合評価指標です。CTLは長期間(目安42日)にわたるトレーニングの全体量、ATLは最近(1週間)行われたトレーニングの全体量、TSBはCTLとATLの差を表します。CTLが低い場合はトレーニング不足なため、まずはベース作りと考え、CTLを上げることが最優先だと思います。CTLが上がっていけば、トレーニングすること自体が楽に感じるため、CTLは維持しつつ、強度の高いインターバルなどを取り入れるといいでしょう。3〜4週トレーニングを行ったら1週間はリカバリー週としてATLをCTLの0.7倍くらいにするといいと思っています。1日のトレーニングはCTLの最大2倍までにしておくといいでしょう。目標としているレースの予想するTSSの半分以上、3/4以下をCTLを目標とするといいでしょう。ランニングやロードバイクなど単一の種目でTSSを多く貯めるのは辛いので、ウエイトトレーニングや他の有酸素トレーニングで複合でTSSを貯めるといいでしょう。

TSSの利用方法

TSSは、トレーニングの量と強度を総合的に評価する指標であり、自分のトレーニングの把握やリカバリーの目安の判断、トレーニングの目標設定などに役立ちます。CTL、ATL、TSBと合わせて使うことで、より効果的なトレーニング計画を立てることができます。

TSSを利用したトレーニング計画を作成する場合、自分が目指す目標レースまでの期間を考慮し、目標TSSを設定します。目標TSSを達成するために必要な週間TSSを算出し、それに合わせて週間のトレーニングを計画します。また、週間TSSをコントロールすることで、オーバートレーニングを防ぐことができます。

TSSを利用することで、自分のトレーニングが適切なものであるかどうかを把握することができます。また、疲労度合いが高くなっている場合はリカバリーを行うことができるため、トレーニング効果を最大限に引き出すことができます。

しかし、TSSやCTL、ATL、TSBを追いすぎるとオーバートレーニングに陥る可能性があるため、自分に合ったトレーニング計画を作ることが大切です。また、TSSはトレーニングの量と強度を総合的に評価する指標であり、個人差が大きいため、自分に合ったトレーニング負荷を見つけることが重要です。

TSSを利用したトレーニング計画を作成することで、効果的なトレーニングを行い、目標のレースでベストパフォーマンスを発揮することができます。